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斎藤貴之 (ELSI)

タイトル:
新しい SPH 法の定式化とその応用

アブストラクト:
Smoothed Particle Hydrodynamics (SPH) 法は圧縮性流体の数値解法の一つであ
り、これまで銀河形成や星形成など天文学の分野で広くもちいられてきた。しか
し近年、従来の SPH 法では、接触不連続面を扱うことができず、その結果流体
不安定性の成長を抑制し、正しくない結果を出すことが指摘された(Agertz+2007
など)。この原因は、従来の SPH 法の定式化そのものにある。通常 SPH 法では
密度をスムーズな場として評価し、その密度を使って他の物理量を求める。しか
し、接触不連続面では、密度が不連続に変化する。そのため、この定式化では、
密度推定にエラーが発生し、それが圧力勾配などの推定に波及する。このエラー
は非物理的表面張力として働き、流体不安定性の発達を阻害する。そこで我々
は、密度の代わりに圧力を用いた新しい SPH (Density Independent SPH、以下
DISPH)法の定式化を行った。この定式化の元では接触不連続面でも正しく力を求
めることができる。衝撃波管問題など標準的なテストのすべてにおいて DISPH
は従来の SPH より良い結果を示した。特に DISPH はケルビン=ヘルムホルツ、
およびレイリー=テイラー不安定性の成長を扱うことが出来るようになってい
る。DISPH 法は従来の SPH 法に変わる新しい標準になるだろう。セミナーでは
DISPH 法を用いた天文シミュレーションや地球惑星科学の分野への応用について
も触れたい。


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Last-modified: 2014-12-24 (水) 07:37:16 (1007d)