開催趣旨
恒星のエネルギー源が核融合であることが20世紀前半から半ばに確立されて以来, 質量の進化の研究に精力的に取り組まれ, 恒星の質量毎の光度や表面温度の進化の大枠は理解されてきた. その結果, 恒星物理の研究課題には対流や質量放出という難問題を残すのみとなったと認識され, 恒星自体を自らの中心課題として取り組む理論研究者の数は減少し, 分野自体が一時衰退した感がある.
一方, 周辺分野の研究の進展により, 恒星物理の新たな未解明問題も多く浮上してきている. 2015年, 20-30倍の太陽質量の連星系から来る重力波の直接検出に成功したが, このようなブラックホール連星系の形成に至るまでの, 恒星の進化経路は未だ謎である. 系外惑星観測の副産物として, 現代の太陽で見られないような大きな黒点やフレア爆発を示す恒星も数多く見付かってきた. このような活動的な恒星は, 周囲の惑星にも多大な影響を及ぼすため, 惑星系の中心星としての恒星研究の重要性が見直されてきている. また, 対流による磁場増幅(ダイナモ), 元素合成, 超新星爆発など, 従来からの未解明問題も依然として残存している.
恒星の物理は, いわば古くて新しい研究分野である. 本シンポジウムでは, 分子雲での星の形成からはじまり, 進化の最期に残る高密度星までの, 幅広い意味での星の物理の最先端の研究を網羅的に扱い, 理論天文学宇宙物理学を「星」という切り口から俯瞰する. 天体物理学研究が今後進む方向性を決める指針となるような, 研究会となれば幸いである.
なお, 理論天文宇宙物理学の幅広いトピックの口頭講演およびポスター発表も例年通り募集する.また, 今年度博士取得見込み者は優先的に発表の機会を与えられる.
開催場所・日程
[場所]: 東京大学 本郷キャンパス 小柴ホール
[アクセス・キャンパスマップ]
[日程]: 2017年12月25日(月)- 27日(水)
(12月25日(月)は開始10時20分,27日(水)は終了16時頃の予定です.)
参加登録
こちらからお申し込みください.
講演登録および旅費補助申請 2017年11月24日 (金) 締切
参加登録 2017年12月8日 (金) 締切
(旅費補助に関して,財源が限られているためご希望に添えるとは限りません.あらかじめご了承ください.)
招待講演者
(敬称略)
コンパクト星 | 榎戸輝揚 | (京都大) |
超新星爆発 | 諏訪雄大 | (京都大) | 重力波 | 久徳浩太郎 | (KEK) |
恒星進化 | 斉尾英行 | (東北大) |
元素合成 | 和南城伸也 | (上智大) |
核燃焼型SN | 山口弘悦 | (NASA) |
低金属量星 | 須田拓馬 | (東京大) |
再電離、初代星 | 小野宜昭 | (東京大) |
初代星 | 細川隆史 | (京都大) |
中性子星 | 祖谷元 | (国立天文台) |
原始ブラックホール観測 | 仙洞田雄一 | (弘前大) |
原始ブラックホール形成 | 原田知広 | (立教大) |
磁場生成、ダイナモ | 堀田英之 | (千葉大) |
スーパーフレア | 前原裕之 | (国立天文台) | 太陽大気 | 今田晋亮 | (名古屋大) |
懇親会
12月26日(火)
[場所]: 東京大学山上会館 [map]
[会費]: 学生 3500円 スタッフ/PD 4500円
宿泊
宿泊予約は各自でお願い致します.
SOC/LOC
- SOC
鈴木建 [chair](東大駒場), 田中雅臣, 滝脇知也(国立天文台), 浅野勝晃(東大宇宙線研), 當真賢二(東北大), 仙洞田雄一(弘前大), 関口雄一郎, 北山哲(東邦大), 樽家篤史(京大基研), 原田知広(立教大), 水田晃(理研), 大栗真宗, 須山輝明, 伊藤洋介, 樫山和己(東大本郷)
- LOC
樫山和己,大栗真宗,須山輝明,伊藤洋介, および東京大学ビッグバン宇宙国際研究センター、宇宙理論研究室メンバー
参加登録システム協力: 格和純 (東北大)
問い合わせ先
rironkon2017 -at- utap.phys.s.u-tokyo.ac.jp
( -at- をアットマークに変えて下さい)