担当者:本橋

時間:14:00-16:00

場所:理学部4号館1階ピロティ

タイトル:Cosmological Backreaction from Averaged Non-Linear Perturbations

アブストラクト:

 宇宙論的摂動論は、1次摂動までのみを考慮する線形摂動論によって、インフレーションにより生成される初期曲率揺らぎ、宇宙マイクロ波背景放射の温度揺らぎ、大規模構造形成などの予測において既に大きな成功を収めている。さらに自然な拡張として2次摂動および1次摂動の非線形項を考慮した2次摂動論を考えることができる。短波長の1次摂動の非線形項は背景量および長波長の摂動量の時間発展に影響を与える。その結果として1次摂動論とは異なる帰結が導かれる可能性が近年議論されている。
 代表的な二つの主張を挙げる。まず一つは、宇宙の加速膨張は非一様な背景量を平均化して一様とみなしていることに由来する見かけの効果であり、ダークエネルギーを必要としないという主張である。もう一つは、インフレーションにより生成された曲率揺らぎが2次摂動論で生じるUV-IR結合により地平線外においても時間発展するという主張である。
 今回は、運動方程式を共動座標系で粗視化することで、短波長の揺らぎの非線形項からの反作用が長波長の1次摂動の発展方程式において実効的に流体として影響を及ぼすことを見る。まず非相対論的な場合の流体の基礎方程式で具体的な粗視化の計算手法を導入し、ついで相対論的2次摂動論に立脚した導出を確認する。そして得られた実効的流体の性質を解釈し、上記の二つの主張を検討する。

内容:

1. 序論
2. 非相対論的導出
3. 相対論的導出
4. 帰結

参考文献:

D. Baumann, A. Nicolis, L. Senatore, M. Zaldarriaga"Cosmological Non-Linearities as an Effective Fluid"arXiv:1004.2488
 

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Last-modified: 2013-11-20 (水) 11:11:56 (3803d)