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発表者:中村航(早稲田大学)
タイトル:「数値計算で探る重力崩壊型超新星の系統的性質」
アブストラクト:
 重力崩壊型超新星の引き金となる鉄コアの重力収縮の直後、発生した衝撃波はエネルギーを失い一旦停滞すると考えられている。停滞衝撃波が復活して外側に伝播していく過程で、ニュートリノによるエネルギー供給と流体不安定性が重要な役割を果たしていると考えられている。これまでになされたニュートリノ輸送を考慮した多次元数値シミュレーションは約 40 例あるが、コードや手法は様々で、結果を単純に比較することはできない。爆発する親星の構造と個々の超新星の特徴(爆発エネルギー・ニッケル生成量等)を関連付けるには、一貫した手法を用いた系統的研究が不可欠である。このような研究として O'Connor & Ott (2011) および Ugliano et al. (2013) があるが、これらは球対称爆発を仮定しており、爆発を決定するニュートリノ加熱を人為的に操作しているという問題点がある。
 今回、Woosley, Heger, & Weaver (2002) の太陽金属量モデルおよび金属欠乏星モデルを対象に、中心コアの重力崩壊から衝撃波の発展まで 1.5 秒を追う2次元輻射流体計算を実行した(Nakamura et al. 2014)。親星モデルは質量 M = 10.8 - 75 Mo, 金属量 Z = Zo, 10^-4 Zo, 0 を網羅しており、総計 378 個にのぼる。爆発の性質を表す量として、衝撃波の復活時間、爆発エネルギー、中心に残される原始中性子星の質量、爆発的元素合成等を解析したところ、これらは全てコアの構造を表す compactness parameter (O'Connor & Ott 2011) の関数として表現されることがわかった。この傾向は親星の金属量に依存せず、衝撃波の初期の発達は質量降着率によって決まるとしてよく理解できる。
 時間が許せば、重力崩壊から3秒以上追った長時間計算で見えた爆発エネルギーの収束、および回転する超新星の3次元計算の結果についても紹介したいと考えている。


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Last-modified: 2014-10-15 (水) 09:20:01 (1801d)